ヒヤリングに残らなかった置物

連日の猛暑にそろそろ疲れも出てきそうですね。

７月末にお引越しをされた新居にお邪魔して来ました。

３週間前のお引渡しの時に
奥様のカバンから出てきたのは小さな陶器製の置物でした。
「引越しの作業で壊れたら大変だと思って、今日持ってきたの。」
とプチプチを剥がしてその置物を見せてくれました。

旅先で購入した物で大事に持って帰ってきたら
ご主人様が落としてしまい、一部が欠けたとおっしゃいます。
広いリビングの中で見ると本当に小さな人形です。
でも奥様の中には、ここに置きたい。
という思いがしっかりとありました。

ヒヤリングをしていた時
「リアドロのお人形が３体あるので飾りたいから
その場所を作りたい。」というお話は伺っていましたが
この置物の話はありませんでした。

でも、それは私自身が忘れていたのです。

１年前、お打ち合わせが始まってランチを頂いている時に
旅の話をしました。
「ポルトガルに行った時にね・・・・・。」
「私も行きましたよ。」という会話をしたことを。
その時にその置物の話をされていたんです。
しかも壊れてしまった置物をボンドで修理したことも
お聴きしていました。

私のヒヤリングした資料の中にはこの”置物”は
抜けていました。

「ほら、
　ポルトガルに行った時に購入した物の話したでしょ。」
と。
まだ２，３回目の打ち合わせの頃だったと思います。
その時のランチの風景が甦って来ました。

「あ～、大切な奥様の気持ちをお聴きしていたんだ。」
と記録に残っていなかったお客様の想いを再確認しました。

写真はポルトガルで訪れた街
小さなお土産屋さんが並んでいました。